借地非訟とは何か?事件の種類と手続きの仕方についても解説
土地の所有者は、不動産を第三者に貸すことでさまざまなトラブルに遭う可能性があり、借地非訟もその1つです。
そのため「借地非訟とは何か?」「過去に適用された事例の種類を参考までに知りたい」と思う方が多いでしょう。
今回の記事では、借地非訟とは一体何なのか、さらに民法で規定されている事例の種類について解説します。
借地非訟とは何か
借地非訟とは、借地借家法などの民法をベースに作成された法的手続きであり、なんらかの事情により借地の所有者の認可を得られなかったときに、借り主が法的な手続きをおこない、裁判所の許可を得ることです。
そのため非訟が認められると、不動産の所有者の同意を得ずにリフォームや増改築をおこなえるようになります。
借地非訟が適用される事件の種類とは
借地条件を変更するとき
借地に建物の種類、構造、用途、建坪などの条件が設定されている場合があり、条件に該当しない建物を建設したいが所有者の許可が出なかったときに借り主は非訟を起こせます。
増改築に関わる認可
リフォームやリノベーションをしたいが、大家の同意を得られかった場合には非訟により、借り主が増改築をおこなえる可能性があります。
競売による土地賃借権譲渡認可申立
借地契約されている土地の上に建つ建物を購入した買主は、土地の所有者と賃貸契約を結ばなくてはなりませんが、相手が同意してくれなかった場合には非訟が可能です。
ただし、土地の所有者は自らの土地とその上に建つ建物を買い取る、介入権を行使できます。
土地賃借権譲渡や転借認可
借地契約が締結されている土地に建てられてた家を売却したい場合には、地主の同意が必要ですが、承諾してもらえなかったときには非訟により第三者への譲渡が認められています。
ただし、土地の所有者自身が借地と建物を買い取ることができ、これを介入権と呼びます。
借地非訟とはどのような手続きでおこなわれるのか
借地非訟は、以下の手続きを踏んで実行されます。
●土地の借り主が裁判所に申し立ての手続きをおこなう
●裁判所は第1回審問期日を決定して土地の所有者に郵送で通知する
●第1回審問が開催され、裁判所が当事者双方の言い分を聞く(必要に応じて第2、第3審問が開催)
●裁判所が、鑑定委員会に対してアドバイスを求める。
●鑑定委員会が当事者立会いの下で現地調査をおこなう。
●鑑定委員会が意見書を作成して裁判所に提出し、同時に当事者双方にも郵送する。
●最終審問を開き、意見書について不服がないか当事者に確認して最終調整に入る。
●裁判所が決定した判決を文面で当事者に送付して終結する。
借地非訟は複雑な利害関係が絡む特殊な事例を除いては、一般的に1年以内には決着しています。
まとめ
自分が所有している土地だからと安心していると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
借地非訟のリスクに備えて賃貸契約を見直しておくことが必要ですし、借り主と円満な関係築いておくことが必要です。
私たち株式会社テクオスジャパンは、専門的な知識やノウハウを活用しお客様のニーズに真摯にお応えいたします。
まずはお気軽にお問い合わせください。
住まいをお探しの方はこちらをクリック↓